大牟田市では、令和元年度に改定した「大牟田市第2次空き地及び空家等対策計画」に基づき、予防、利活用、適正管理の3つの視点から総合的な空家等対策の取組みを進めています。具体的な取組みとして、「7分野10施策」を定めていますが、その中の主な取組みをご紹介します。
予防
空家の発生を抑制するための対策として、「将来の空家予防推進事業(多世帯同居おうえん大作戦)」に取組んでおり、平成28年度に1件、平成29年度に1件、平成30年度に2件の補助金を交付しました。
この事業は、子育て世代や高齢者が安心して住み続けられる環境を支援し、本市への定住促進と既存住宅の空家予防を目的に、本市で3親等以内の親族で多世帯同居をするための住宅改修工事費用の一部を補助する事業です。
※令和元年度をもって、本事業は終了しました。
将来の空家予防推進事業 補助実績
No. | 年度 | 補助額(千円) | 主な改修内容 | 備 考 |
1 | 28 | 1,000 | 間取り変更、段差解消など | 市外より4名転入 |
2 | 29 | 646 | ペアガラスへの変更 | 市外より1名転入 |
3 | 30 | 750 | ユニットバスへの変更 | |
4 | 30 | 850 | 間取り変更、段差解消など | |
| 計 | 3,246 | | 5名転入 |
利活用
利活用では、「民間空家等利活用促進事業」に取組んでおり、平成29年度は、学生コンペによる改修を行いました。平成30年度は2件、令和元年度は1件の補助金を交付しました。
この事業は、空家を高齢者、障害者、子育て世代など住宅を確保することが難しい人(以下、「住宅確保要配慮者」という)に賃貸するなどして居住の安定を図ることや、地域の拠点等として活用し住環境の整備改善及び活性化を目的に、活用する空家等の改修工事費用の一部を補助する事業です。
また、「大牟田市居住支援協議会」では、住宅確保要配慮者の住宅への円滑な入居を推進するため、空家所有者とのマッチングにも取組んでいます。
※令和元年度をもって、本事業は終了しました。
民間空家等利活用促進事業 補助実績
NO. | 年度 | 補助金(千円) | 主な改修内容 |
1 | 29 | 1,000 | 多目的トイレへの改修 スロープ及びウッドデッキの設置など |
2 | 30 | 995 | 屋根の改修(雨漏対策) |
3 | 30 | 1,000 | 床、浴室、ベランダの改修、流し台の取替など |
4 | R1 | 1,000 | 屋根の改修(雨漏対策)、外壁及び床の改修など |
| 計 | 3,995 | |
適正管理
空家特措法の対象とならない「空家等」の措置や「緊急安全措置」を盛り込んだ「大牟田市空き地及び空家等の適正管理に関する条例」を平成29年4月1日に施行し、空き地と空家等を一本化した条例を制定しました。
また、市民の安全確保と住環境及び良好な景観の促進を目的に、平成23年度(中心市街地は平成25年度)より老朽化した建物の解体費用の一部を補助する「老朽危険家屋等除却促進事業」にも取組んでおり、これまでに217件の補助を行っています。
老朽危険家屋等除却促進事業(中心市街地含む) 補助実績
年度 | 老朽危険家屋 | 中心市街地 | 計 | 補助額(千円) |
23 | 14件 | - | 14件 | 4,943 |
24 | 11件 | - | 11件 | 4,500 |
25 | 11件 | 1件 | 12件 | 4,410 |
26 | 6件 | 3件 | 9件 | 4,127 |
27 | 14件 | 0件 | 14件 | 5,523 |
28 | 20件 | 1件 | 21件 | 8,806 |
29 | 22件 | 2件 | 24件 | 10,200 |
30 | 28件 | 3件 | 31件 | 12,879 |
R1 | 18件 | 4件 | 22件 | 9,602 |
R2 | 33件 | 0件 | 33件 | 13,635 |
R3 | 25件 | 1件 | 26件 | 10,938 |
計 | 202件 | 15件 | 217件 | 89,563 |
これまでに、特に老朽化が著しい空家5件を「特定空家等」に認定し、空家特措法に基づく指導を行いました。この5件については、除却や飛散防止対策などの必要な措置が講じられ、周辺の生活環境の保全が図られたところです。
あわせて、特定空家等の可能性がある空家(特定空家等候補)23件をピックアップし重点的に対応を行ってきた結果、令和3年度末で17件(解消率74%)が所有者等により対応されており、老朽化が著しい状態の空家の解消が着実に進んでるところです。
〇老朽化が著しい空家の対応状況 令和4年3月31日現在
| 認定件数 | 指導件数 | 対応件数 | 未対応件数 | 解消率 |
特定空家等 | 5件 | 5件 | 5件 | 0件 | 100% |
特定空家等候補 | | 23件 | 17件 | 6件 | 74% |
合計 | | 28件 | 22件 | 6件 | 79% |
適切な管理が行われていない空家等が防災・衛生・景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。
これらの問題を解消するためには、空家等の所有者等が自らの責任により的確に対応することが前提です。
大牟田市では、粘り強い助言・指導により、所有者等の所有者意識の醸成を図るとともに、補助制度や相談窓口の紹介などのきめ細やかな対応を行っています。
今後も、「特定空家等」の認定に至る前の段階で、除却や飛散防止対策を促しながら、地域住民の不安を解消し、住環境の改善や良好な景観を促進します。
※「特定空家等」(空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第2項)
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていな
いことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等
をいう。