◆2013年 1月15日号 <No.1114>  
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   特集 新春対談 わたしの好きな大牟田 西村健さん×諸岡なほ子さん  


西村健さん×諸岡なほ子さんの画像
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 大牟田の戦後史ともいえる小説「地の底のヤマ」で数々の賞を受賞した西村健さんと旅リポーターとしておなじみの諸岡なほ子さん。本市にゆかりがあり、普段から交流のある二人に大牟田への思いを語ってもらいました。

 「地の底のヤマ」数々の受賞おめでとうございます。作品は大牟田を舞台とした大作ですね。

西村 ありがとうございます。作家の道に進んで、いつか大牟田を舞台とした話を作ってみたいと思っていました。そろそろと思っていた矢先に熊谷監督の「三池 終わらない炭鉱の物語」を観てしまって、「これに匹敵する物語をつくらんと!」って思いましたね。でも最初は何も分からず、いろんな人から歴史などを学び、取材もさせていただきました。

諸岡 地名や実際にあるお店の名がどんどん出てくるので、読んでいて光景が思い浮かぶのですが、文中の会話も大牟田弁そのまま。全国の読者は理解できたのでしょうか?

西村 言葉はきっちり分からなくてもいいと思っています。むしろあの言葉がいいと結構言われます。特に東京の人は方言に憧れているところがあって、「九州の言葉っていいですよね」って逆に言われちゃう。でも地元の人には「あげん方言ばつこうたらでけんやろうもん」なんて言われました。「東京がいいって言いよるっちゃけんよかたい」って感じ(笑)。

諸岡 そうそう。私は両方の気持ちが分かるんです。「やっぱり大牟田弁っていいな〜」って思うのと「大丈夫?」みたいな。
西村 いいんですよ。関西人はテレビでも何でも関西弁を話しますよね。九州の言葉も堂々と使ってほしいですね。方言は「財産」なんですよ。

 外から見た大牟田の魅力って何でしょう

諸岡 やはり祭りです。三池に住んでいたので、初市がたまらなく好きでした。親に連れて行ってもらい、くじ引きやお菓子を買ってもらえて楽しかったですね。そして「大蛇山」。日本中いろんな祭りを観ましたが、あの勇壮さはなかなか他にはないですね。もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。でも、子どもの頃は、おみこしを担いだり、山車を引いたりしていたので、「あつか〜」「きつか〜」と思ったこともありました(笑)。お囃子の練習も楽しかったですね。この頃になると「夏休みが近づいてる」って感じがしてうれしかったです。

西村 僕はやっぱり人ですね。とにかく元気な人が多くて気持ちいい。あとは住みやすさかなぁ。気候は穏やかですし、老後は絶対大牟田に住みたいですね。それと食べ物が安くておいしい!特にラーメン。久留米ラーメンとしてくくられている感がありますが、味もルーツも違うんですよね。ぜひ大牟田ラーメンとして確立してほしいなあ。

諸岡 私も好きですね。東京で九州ラーメンを食べても「ガツン」とこない!帰省したら必ず食べますね。

 石炭についての思い出は

西村 学校の職員室に石炭ストーブがあったので、その印象が強いですね。先生から石炭をくべさせてもらったのもいい思い出です。でも同世代の友人に話すと驚かれるんですよ。「石炭ストーブ?いつの時代?」みたいな。長溝川踏切を石炭電車が走っているのも、自分たちにとっては普通の光景だったのが、よそでは考えられない。やはり炭都のまちだったんでしょうね。あと、小学校のとき作文が一度だけ入賞して、その文集がまさに「せきたん」(笑)。

諸岡 私の場合、小さい頃は教科書の中の話って感じでした。でも東京での生活が落ち着いた頃から、帰省するごとに自転車で市内を散策するようになったのですが、三池や新栄町周辺以外はあまり知らなかったので、驚きの連続でした。三池港周辺も他の港とは全然違いますし、宮原坑も20代後半になってから初めて見たのですが、その迫力に圧倒されました。ですから一時期は帰省の理由が「ゆっくりしたい」という気持ちと「発見したい」という気持ちが両方ありました。

西村 まさに「ふしぎ発見、ミステリーハンター」ですね!

諸岡 そうですね(笑)。しかも探れば探るほど応えてくれる。三池藩にしても炭鉱にしても、大牟田ってほんとにいろいろな歴史があって。自分の住んでいたエリアに映画のような歴史と光景があったんだと、改めて奥の深いまちなんだと思いました。
西村 そうなんですよ。今回本を書いたことで多くの人に大牟田の歴史を知っていただく機会になったのですが、「戦後でこれだけ歴史(ストーリー)のあるまちってないですよ」ってよく言われます。人々の思いやさまざまな出来事など、次世代に伝えていかなければならない歴史だと思います。

対談の様子の画像
旧三井港倶楽部にて
大牟田でパワーをもらい仕事しています

諸岡 海外で鉱山のロケがあり、同じような櫓(やぐら)や鉱山鉄道の光景を観ると親近感が湧くと同時に、その迫力に胸が熱くなります。九州の遺産群もデザイン一つとっても引けを取らない素晴らしさを感じますし、さまざまな歴史があります。外国の人にも日本の近代化を支えた遺産を観て何かを学んでほしいですね。

 最後に大牟田へ望むことは

西村 私は今のままの元気な大牟田であってほしい。日本中いろんなところへ行きますが、中には元気のないまちもあります。でも大牟田は元気がいい。特におっちゃん、おばちゃんの元気がいいですね。ここでパワーをもらって東京で仕事しています。だから定期的に帰省しないと身体がもたないですね。そんな魅力をもったまちなんですよ。

諸岡 私も似たような思いです。故郷があるから頑張れる。帰省するたびそう感じています。それだけ心から安らげるまちですし、大牟田が好きなんです。伝統や歴史を守りながら、元気なまちでいてほしいです。

西村 健さんの画像  西村 健さん

 作家。福岡市で生まれ、6歳から大牟田市で育つ。白光中学校卒業後、ラ・サール高等学校、東京大学へ進学。労働省へ入省するも4年で退職し作家の道へ。「地の底のヤマ」で第33回吉川英治文学新人賞、福岡県文化賞などを受賞。東京都在住。

諸岡 なほ子さんの画像  諸岡 なほ子さん

 タレント、作詞家。大牟田市で生まれ、田隈中学校卒業後、上京し芸能界へ。TBS系列「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして世界中を駆け回り、放送回数は50回を超える。その多彩な才能を生かし、作詞家としても活動中。東京都在住。

 

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