◆2015年 1月15日号 <No.1152>  
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   特集 身近な問題から地球の未来を考える  


子どもたちと地域の人との
〜ESDの取り組みが広がっています〜

 大牟田市の公立小・中・特別支援学校33校は、平成23年度からユネスコスクールに加盟し、ESDと呼ばれる「持続可能な開発のための教育」を進めています。
 今回の特集では、身近な問題から地球の未来を考えるESDやユネスコスクールの取り組みについて紹介します。


大牟田市はユネスコスクールのまち

 環境や貧困、人権、紛争など、世界にはさまざまな問題があります。これから先、よりよい社会、持続可能な社会を創るにはどうすればよいか。そんな地球規模の課題を自らの問題と捉え、立ち向かい、解決するための学習がESDの取り組みです。日本ではESDを進める拠点をユネスコスクールとしています。
 大牟田市の公立小学校、中学校、特別支援学校33校は、平成23年度からユネスコスクールに加盟し、それぞれの学校の特色を生かしながらESDに取り組んでいます。市内全ての小・中・特別支援学校が一斉に加盟したことは世界的にも珍しく、大変注目を浴びています。

地域と交流しながら

 本市では下ページに紹介しているように、大きく分けて4つの分野でESDの取り組みを進めています。
 これらの取り組みには、地域の人や関係施設、関係団体なども深く関わっています。例えば環境学習であれば、環境団体の人たちと一緒に直接自然に触れ、体験することで、その大切さを学びます。また、地域学習であれば地域の歴史や宝について地域の人から学ぶことで、自分の地域により愛着を持つようになります。
 このように大牟田で育つ子どもたちが、郷土の身近な問題から地球規模に関する「ひと・もの・こと」について学ぶことによって、未来に向かって持続可能な社会を創る担い手が育まれていきます。

ESDって?
Education for Sustainable Developmentの略で、日本語では、「持続可能な開発のための教育」と訳されています。私たちとその子孫が、この地球上で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するための学びを指します。

 

吉野校区の活動画像
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吉野校区では、かつて桜の木々でいっぱいだった頃のように桜並木を復活させようと、学校と地域が一体となった取り組みが進められています。


ユネスコスクールって?

 地球規模のさまざまな問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指す、国際的な連携を実践する学校です。
 世界180以上の国や地域で9,900校以上の学校が加盟しています。

ユネスコスクール幟旗の画像

大牟田市で取り組んでいるESD

●エネルギー・環境学習
 海や川、山などの自然に直接触れたり、校内ビオトープの管理に取り組んだりして、生き物や環境と自分とのつながりについて学習しています。また、エコタウンなどで、資源の再利用について学習しています。

エネルギー・環境学習の画像
●国際理解学習
 平原小学校と延命中学校で、友好都市である中国の大同市との交流が続いています。さまざまな学習を通して「国や言葉、習慣が違っても仲良く平和でいたい思いは同じ」であることを学んでいます。
国際理解学習の画像
●世界遺産・地域学習
 世界遺産候補である三池炭鉱関連施設をはじめとした地域の宝を生かして、生活科や総合的な学習の時間を中心に、体験活動などを行いながら、自分たちが地域にできることを考えます。
世界遺産・地域学習の画像
●福祉教育
 「地域とつながり、ともに支え合いながら生きていくために」をテーマに、施設訪問や独居高齢者宅訪問、徘徊模擬訓練等を体験し、自分たちにできることを考え、行動しています。また、特別支援学校との交流から支え合いの心を学んでいます。
福祉教育の画像

 

Interview ESD活動について聞いてみました
近藤 杷槻さんの画像 饅頭は大切な大牟田の文化

中友小学校
近藤 杷槻(こんどう はつき)さん

 大牟田市に饅頭屋が多い理由を調べるために、お店で作っているところを見学させてもらったり、話を聞かせてもらったりしました。その中で、かすてら饅頭は大牟田市が発祥の地であること、炭鉱で働いていた人たちに好まれていたことなどが分かりました。また、いろんな種類の饅頭があり、それぞれに思いが込められていることも知ることができ、大牟田市の大切な文化なんだと分かりました。この取り組みをきっかけにみんな大牟田の饅頭が大好きになりました。
 もっと多くの人に大牟田市の菓子文化を知ってもらい、好きになってもらえたらと思います。

柿川 和機さんの画像

子どもたちの未来に豊かな自然を

ネイチャーガイド・オオムタ
会長 柿川 和機(かきがわ かずき) さん


 自然観察会などを通して、命や自然の大切さを子どもたちと一緒に考えています。子どもたちには「今、地球の環境は…」といった感じではなく、身近な体験を通してさりげなく自然の大切さを教えています。先生や保護者の皆さんから「子どもがゴミのことを意識するようになった」などの話を聞くとうれしくなりますね。大牟田には豊かな自然がたくさん残っています。海や川、野山で駆け回る子どもたちは本当に生き生きしています。自然は私たちが健康で住みやすい生活をするための原点なんですね。豊かな自然を守るために、これからも子どもたちと一緒に考えていきます。



進み続ける 大牟田市教育委員会の取り組み

 「ユネスコスクールのまち・おおむた」の取り組みを進めるため、市教育委員会では各学校と連携し、さまざまな事業を実施しています。
 また、市教育委員会が中核となり、大学や関係機関などとの交流・協力を得ながらユネスコスクールのさらなる広域への普及・発展を図っています。

Interview
安田 昌則教育長の画像 郷土を愛しながら、
地球の未来を考える人へ

大牟田市教育委員会
教育長 安田 昌則

 大牟田には、素晴らしい伝統・文化や豊かな自然などがたくさん残されています。子どもたちが、その素晴らしさを深く学ぶことによって、郷土大牟田で育ったことを誇りに思うとともに、他の国や地域の人たちと交流し合いながら、世界規模の見方や考え方ができる人へと育っていってほしいと願っています。
 未来の社会を創るのは、子どもたちです。持続可能な社会の担い手として、真に「生きる力」を備えた人となるよう、今、私たちができることを一つひとつ支援していきたいと考えています。


大牟田市が進めるコンソーシアム事業
※コンソーシアムとは連合体の意味で、さまざまな団体が
 同じ目標に向かって活動する組織のことをいいます。
コンソーシアム事業フロー図

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 26年度から文部科学省は、ESDの普及をさらに進めるために、大学や教育委員会が中核となって展開する事業を始めました。大牟田市教育委員会もその役割を担うことになり、福岡教育大学や福岡県教育委員会、さらには地元の企業やNPO団体等の協力を得て、研修会の実施や成果発表会(子どもサミット)、広報活動などの事業を推進しています。

子どもサミット
 それぞれの学校での取り組みを発表し合う場として、毎年1月に「ユネスコスクール子どもサミット」を開催しています。世界遺産・郷土の内容はもちろん、環境や福祉、国際理解など、ESDの取り組みについて全校が発表し、交流しています。26年度は、島根県や宮崎県の学校も参加し、交流の輪をさらに広げることができました。

子ども大牟田検定
 小学校3年生以上の児童生徒が、「大牟田の宝もの」についてまとめた「子ども大牟田検定ガイドブック」をもとに学習し、そのガイドブックから出題された検定を年に2回チャレンジしています。検定結果に応じて、博士や達人などの認定証が渡されます。
 この検定を通して、郷土についての学習を深め、大牟田を愛する子どもたちが、さらに増えていくことを願っています。

ガイドブックの画像
★ガイドブック

キーワードは「つながり」と「発信」 子どもたちの取り組みを多くの人へ
 これまでの約4年間、ユネスコスクールとして各学校がそれぞれにESDを推進してきましたが、その結果、子どもたちがさまざまな事柄について関心をもち、調べてみようとしたり、地域や施設の人など、いろいろな人たちと交流しようとしたりする姿がたくさん見られるようになりました。
 また、自分たちでできることは何かを考え、実際に行動した事例も増えています。加えて地域の人たちの協力も増え、活動の幅が広がっています。
 今後も、大牟田の良さをしっかりと生かしながら、さまざまな取り組みを進め、また、ESD関係者だけではなく、市内外を問わず、多くの人に積極的に情報を発信しながら、さらにこの教育の理念を広めていきたいと考えています。

(1)
駛馬北小学校取り組みを報告の画像
(2)
取り組み発表の画像
(3)
子ども大牟田検定の画像
(4)
世界遺産学習研修会の画像

(1)奈良県で開催された世界遺産学習全国サミットで、駛馬北小学校の取り組みを報告しました。
(2)毎年行われる子どもサミットでは、各学校の取り組みを発表します。
(3)子ども大牟田検定で郷土の歴史を学びます。博士になれるかな。
(4)大牟田コンソーシアム世界遺産学習研修会では、全国の関係都市の教師などが近代化産業遺産学習・世界遺産学習の教材化について学びました。

Interview
西田 雅子校長の画像 自ら考え、行動できる生徒に

米生中学校
校長 西田 雅子

 以前から「一人暮らし高齢者宅訪問」や「特別支援学校との交流」など福祉教育に積極的に取り組んでいます。ユネスコスクールに加入後はESDの視点を取り入れ、10年、20年先を見据えて自ら考え、行動できる生徒を育成することを教育目標としています。
 地域の方々に支えていただいているのもありがたいですね。高齢者の見守り訪問活動など、普段の取り組みが充実している地域なので、生徒たちにも活動の意味がよく伝わっていて、高齢の方や障害のある方に対して「しなければならない」「してあげてる」ではなく、自然体で対応できているようです。その姿を見るのがうれしいですね。


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