指定年月日：昭和45（1970）年6月17日

所　在　地：大牟田市早鐘町128

構　　　造：長さ11.2ｍ、幅3.15ｍ　凝灰岩製

建 造 年 代：延宝2（1674）年

区　　　分：建造物

　眼鏡橋とは、橋本体を構成する主軸が弧線を描くことから、正式には「石造アーチ橋」と言われるものです。人々はこの構造の美しい建造物を、川面に映る姿から「眼鏡橋」と呼んで親しんできました。

どこか異国的な雰囲気を感じさせるのは元から日本に存在した建造物ではないためで、寛永11（1634）年に中国の僧如定によって長崎にはじめて架けられ、やがて九州をはじめとして盛業を見せます。

　大牟田では寛文4（1664）年、三池藩によりこの新たな橋の様式が採用されます。当時、干害対策を進めていた三池藩は、筑後第一といわれる大きなため池（早鐘池）を築き、この用水を諏訪・片平・大牟田地方のかんがいに利用するため、延宝2（1674）年に水路橋（註）としてこの橋を架けたのでした。

三池藩がこの構造をいち早く採用したことからは、藩の産業開発への積極性がうかがえます。

　大牟田市では、近代発展の際に大規模な開発によって周囲の旧態は失われていったものの、早鐘眼鏡橋はその優秀な土木技術もあり、当時のまま美しい姿を残しています。

註：水路を川の上に通すために架けられた橋のこと