PERMANENTを始めた頃は、自分でも小さな畑を作ってみたいと思っていたので、当初は、うきは市や佐賀県三瀬村など色々な地域を探していました。5〜6年くらいは物件を探していましたが、どこも決め手にならず。探しても探してもしっくりくる場所がなく、別に日本にこだわる必要ないんじゃないか。海外でもいいんじゃないかって思った時期がありました。そんな時に、主人から「自分たちのルーツにないから決め手にならないんじゃないか」。また「ワークショップで伝えているのは、マンションでもできる季節の仕込みものなのに、自分たちが田舎に行ってしまうのは、田舎に行くことが正解のようにならないか」と投げかけられました。それから視点を変えて場所を探すようになりました。
大牟田に決めたのは、わたしの実家のビルが数年空き店舗になっていたからということもありますが、一番は、この場所のアクセスの良さでした。イベント等を通してたくさんの人に来てもらいたいと考えていたので、西鉄、JR、九州自動車道、有明海沿岸道路があるこの場所であれば、私たちも外に出て行きやすい。ひいては人も来やすい場所になるのではと考えました。実際に、福岡市や熊本市、佐賀方面からもたくさん来ていただいています。自分たちのやりたいこととやれることを実現できる場所が大牟田のこの場所だったわけです。
Q.どんな人が集まる場所にしたいですか?
“こんな人”という限定したイメージはありません。ここに来てくださる人たちと、私たちの価値観を共有できたり、お互い刺激になれるような環境を作りたいと思っています。それは大人だけに限らず、子どもにも刺激になるような時間を作れると良いですね。私も主人も、地域は違えど、子どもの頃に、アートや映画、本、音楽など何かしら自分たちに影響を与えてくれる大人の存在がありました。私たちもそういう大人になれたら、そしてこの場所がそういう場所になれたら嬉しいなと思っています。
Q.最後に移住検討される方にメッセージをお願いします。
前述の通りアクセスの良さは抜群です。これは炭鉱の町として栄えた恩恵だと私は思っていますが、主人は「人が優しい」とも言います。やんちゃそうに見える人でもコンビニなどでドアを開けて待っててくれたりするそうです。
炭鉱で、さまざまな人が流動してきた町だからなのか、商店街だから新規の人を受け入れる体制があるのか、程よい距離で、お互いに助け合う精神が醸成されているのかもしれませんね。
これから新たに大牟田で起業を考えている方にメッセージするならば、周りも応援してくれる環境があると思います。そういう人たちが点在することで、大牟田がより魅力的なまちになると楽しいですね。