住宅やビルなどの建築物を建てる場合、原則として設計者や工事監理者を定めなくてはなりません。
設計及び工事監理については建築物の構造、階数、延べ面積及び用途等の条件により必要な建築士資格の条件が異なっています。建築士は日本の国家資格であり、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があります。建築士資格によって設計又は監理できる建築物の区分は以下の通りです。
建築主事等の確認を受けた設計図書に基づいて、適正な工事監理が行われることで建築基準法に違反する工事や欠陥工事を未然に防止することができます。建築士資格が必要ない規模の建築物でも積極的に建築士の設計者や工事監理者を選任されることをお勧めします。
工事監理者とは
「工事監理者」とは、「その責任において、工事を設計図書と照合し、設計図書どおりに実施されているかどうかを確認する者」のことです。(建築士法第2条第8項、建築基準法第2条第11号、第5条の6第4項) |
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- 建築士法上の特殊建築物とは、主に不特定多数の人が利用し、火災の危険性が高い建築物のことです。以下の事例に該当するもので延べ面積が500平方メートル以上のものを示します。
例:学校・病院・映画館・観覧場・集会場・百貨店など(建築士法第3条)
- 鉄筋で補強されたコンクリートの構造体のことです。
- CB造とは、鉄筋で補強されたコンクリートブロックの構造体のことです。また、無筋CB造とは、鉄筋で補強されないコンクリートブロックの構造体のことです。
設計とは
「設計」とは、建築士法では、「設計図書を作成すること」とされています。この「設計図書」とは、建築工事実施のために必要な図面や仕様書のことをいいます。
この設計図書が適切に作成されていなければ、その設計図書に基づいて行われる工事施工又は建築物の品質に支障をきたしてしまいます。
このような事態に陥らないためにも、十分に専門的な知識を有している建築士等に設計を依頼し、適切な設計図書を作成してもらう必要があります。そうすることで、より安全な建築物を建てることができます。
工事監理とは
「工事監理」とは工事を設計図書と照合し、工事が設計図書どおりに実施されているかどうかを確認することです。この工事監理は、建築物の安全性等を確保するために確実に実施されなければなりません。工事監理者が建築に関する知識を十分に有していなければ、欠陥を持ったまま建築物として使用されてしまう可能性があります。そのため建築基準法では、「工事監理者を定めなければならない」と決められています。
「中間検査」という建築物が建っていく段階での検査や、「完了検査」といわれる建築物が出来上がった後の最終チェックにあたる検査の申請の際には、申請書の中に工事監理の状況の報告を記載しなければなりません。したがって、高度な専門知識を有する建築士等に工事監理を依頼し、その内容を報告してもらうことが重要になります。
工事監理者の選任について
無資格者を工事監理者として選任されている場合、建築主の方へ建築士を工事監理者として選任することをお勧めする内容のハガキを送付させていただいています。