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リノベ事例(番外編):エリアリノベーションinおおむた/天の原校区

最終更新日:

リノベ事例(番外編):旧医院

62令和2年(2020年)113日~16日にかけて、「高専生と作って使うシェアブックカフェ」イベントが開催されました。

会場は、天の原小学校近くにある旧医院(空き施設)です。

13日は、本棚をつくるDIYワークショップイベントが開催されました。本棚は有明工業高等専門学校(以下、「高専」)の学生が設計したもので、参加者は、高専生の解説を受けながら一緒に本棚づくりを楽しみました。続く1416日は、作成した本棚を施設内外にディスプレイし、自由に本を手に取り楽しんでもらうシェアブックカフェが開催されました。

「一般社団法人 KOSEN‐HOUSE」の代表理事である平尾元さんの立ち合いのもと、イベントを企画・運営した高専の建築コース/正木研究室の中園留菜さん、平山あかねさん、指導者の正木哲先生にお話をお伺いしました♪

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    左)右から正木先生、中園さん、平山さん                                  右)ワークショップで作成した本棚。寄贈の本には手書きのブックカバーもつけて。

 

「シェアブックカフェ」イベントは天の原小近くの旧医院の空き施設を会場としていますが、この場所でイベントをすることになった経緯を教えてください!

正木先生) 2017年(平成29年)のまちの課題解決アイデアコンテスト『新・空き家論』(※)で出た空き家活用策「KOUSEN HOUSEのアイデアが発端となり、高専生の住まいと地域住民の活動場所を重ねた交流拠点をつくる試みに発展しています。

2018年(平成30年)に開催した『新・空き家論2』のイベント後に地域の方からこの旧医院の空き施設を使わせてもらったらどうか、とご紹介いただきました。その後、現在の施設所有者であるあけぼの会さん、天の原校区のまちづくり協議会や地区社会福祉協議会、民生・児童委員など地域の皆様、そして高専のメンバーで協議を進めました。その結果、1階を地域の交流拠点、2階を、例えば高専生のシェアハウス、といった学生の拠点として使用する方針とするところまで決まっています。

 

※『新・空き家論』(2017年)とは…

平成29年(2017年度)に開催された、まちの課題解決アイデアコンテスト。コンテストで最優秀賞に選ばれた空き家活用策「KOUSEN HOUSE」のアイデアが今回のイベントの発端。「KOUSEN HOUSE」は地域の課題である「空き家問題」と高専生が抱える住まい問題を解決するというアイデア。空き家を改修し高専生専用のシェアハウスを運営、高専生は授業の一環としてDIYに取組み、地域貢献や地域交流も行うというもの。

平成30年度(2018年度)には『新・空き家論2』も開催。「KOUSEN HOUSE」を元に正木研究室が基礎実験調査や検討を行った結果報告や、天の原校区住民の方々とのパネルディスカッションなどが行われました。(「新・空き家論」、「新・空き家論2」の関連記事はこちら別ウィンドウで開きます(外部リンク)

 

 

本棚のDIYワークショップやシェアブックカフェをしようという発想のきっかけは何でしょうか?

中園さん) この施設の1階を地域の交流拠点とするにあたり、ロビー空間を「本がある空間」にすることで誰でも立ち寄ることができる空間になるのではないかと提案しました。本に着目したのは、この旧医院の先生が天の原小学校に本を寄贈されてこられたこと、本には多世代共通して楽しめる魅力があるのではないかと考えたからです。

 ただし、いきなりロビー空間を造るには費用面のハードルがあることや実際の効果が見えなかったので、1回簡単に再現してみよう!ということになりました。2019年に施設の清掃や1階間仕切りの撤去などの共同活動をしましたが、そこで交流が生まれたという報告もあり、本棚をDIYワークショップしよう、ということになりました。

 

 

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左)13日の
本棚ワークショップ。たくさんの人が参加していた。                         右)高専生に教えてもらいながら本棚を作っています♪

 

 

DIYワークショップ、シェアブックカフェの参加者はどのぐらいいましたか?

平山さん) DIYワークショップは31人、シェアブックカフェは94人の参加がありました。

 DIYワークショップは多世代や若い世代を引き入れたい、ということもありSNSでの告知や小学校でチラシを配布するなど力を入れました。その結果、市外からの参加者も多数ありました。

 シェアブックカフェは夕方の開催だったということもあり、小学校の下校時間とも重なり小学生がたくさん利用してくれました。

 

シェアブックカフェでは、想定外の利用方法はありましたか?

中園さん) 子どもを預けたり、近くにスーパーがあるため親が買い物から戻るまで子どもが利用したりという想定外の利用方法がありました。たまたま見かけたから参加したという親子もいて、ついでにふらっと、という利用が生まれやすい立地ではないかと思います。

小学校に近いこと、西鉄バスが通る道路に面しており視認性が高いこと、近くにスーパーがあることなど、この施設は立地的なポテンシャルがとても高い場所だという確認が改めてできたと思います。

 

 

カフェ  2
左)シェアカフェブックの様子。小学生がたくさん来てくれ大盛況でした。               右)地域の方も興味津々♪     

 

今後の展開などあれば教えてください!!

平山さん) 今回のイベントでロビーを「本のある空間」にすることは交流をうむ可能性があることを確認できました。ただし、施設は中が見えにくい建物なので、道路に面したエントランスまわりを工夫し活動を見える形にすることで、この場所が地域の魅力的な空間になる可能性が高いと考えています。

 

お2人はこのイベントに取り組んでみてどうでしたか?

平山さん) この場所は、地域住民が気軽に来れる場所、サードプレイスのような空間になる可能性が高いと思いました。小学生もたくさん利用してくれて小学生や地域の方と会話するのは楽しかったです。小学生にとっても放課後にふらっと立ち寄れる場所があるのは楽しいと思います。自分が子どもの時にこんな場所があれば良かったなぁと思いました。

中園さん) イベントを企画から取り組んで何よりも自分達が楽しかったです。参加者のアンケートでも満足度は高く、小学生から手紙をもらったりなどイベントへの反響も嬉しかったです。私は天の原校区に住んでいないので、これまで地域のイベントには入りづらさがありましたが、今回のイベントを開催したことで地域との接点ができ距離が近くなったと思います。貴重な体験ができました。

 

高専生や高専が地域活動に関わることにどういう価値があり、高専生や高専にはどのような役割があると思いますか?

平山さん) 高専はきっかけをつくる役割、高専生は実際のプレーヤーという役割があると思います。

中園さん) 地域にとって同じ校区内にある高専は役割は大きいと思います。高専の技術を提供できるのは地域にとっても大きいと思うし、高専としても実践の場所を提供してもらえるのは重要なことです。また高専生が間に入ることで世代をつなぐ役割もあると思います。特にこのようなイベントでは高専生がいることが集客の面で一定の効果があると思います。

 

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          上)企画・運営した高専のメンバー  

 

最後に「まちづくり」や「まちをつくる」、ということはどんなことと思いますか

平山さん) 今回のイベントは小さいことだったと思いますが、地域の方やあけぼの会、市などいろんな人の存在を知り、繋がることができました。こういうことの一つ一つがまちをつくっていくのではないかと思います。

中園さん) イベントもまちづくりだし、このような居場所をつくることもまちづくりだと思います。色んなところでバラバラで起こっている出来事でも大きい目標はみな一緒というか、この取組のような行為がまちをつくっていっているのではないか、と思います。

 

今後の動きや地域がどう変わっていくか、とても楽しみですね!

とてもワクワクするご報告、ありがとうございました!

 

 

お話を伺って…

この取組は単に空き施設の利活用、リノベーションではなく、地域住民、有明高専、所有者、その他事業者などが連携して新たな関係性を構築し、地域(エリア)をリノベーションしている動きだと感じました。このエリアリノベーションの動きがこの旧医院を発端に、まさに今、大牟田、天の原校区で起こっています!

今後のさらなる動きに、大、大、大注目です!!!

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