新幹線の停車駅が市内にあることは、本市にとって大きなポテンシャル(発展可能性)を有していると考えています。
しかしながら、新大牟田駅が市中心部から約7kmと離れていることもあり、その可能性を十分活かしきれていないと認識しております。
例えば、新大牟田駅の1日当たりの乗車人数は、直近の2021年度(令和3年度)で、1日当たり389人となっております。
新大牟田駅の開業年であります2011年度(平成23年度)は、1日当たり414人でした。
その後、徐々に利用者が増加し、ピーク時の2018年度(平成30年度)には、1日当たり611人となっています。しかしながら、新型コロナの感染拡大の影響により、現在は、ピーク時の約36%と利用者が落ち込んでいる状況です。
こうしたことから、新大牟田駅及びその周辺地域について<1>利便性の向上<2>駅周辺の開発の両面から取組みを進めているところです。
まず、利便性の向上については、8月1日から予約型乗合タクシーの実証実験を開始いたしました。
その内容は、新大牟田駅と、中心市街地(JR大牟田駅、西鉄大牟田駅、東新町バス停付近の3ヵ所)を直接結び、利用料は1人700円となっています。利用に当たっては乗車30分前までに電話でタクシー会社に予約をしていただくこととしています。
現在までの利用状況については、8月17日現在で21人、1日当たり1名程度の方が利用されています。お盆の帰省時期には1日2~3人の利用があるなど、利用者が徐々に増えており、今後は利用者の増加に向けて、更なるPRを図ってまいります。
さらに10月1日からは、新大牟田駅の利用促進を図る3つの事業を始めることとしています。
1つ目は、新大牟田駅と中心市街地間に新幹線のダイヤと合わせたシャトルバスを実証実験として運行します。
2つ目は、市外から新幹線を利用して本市へ来られた方に対して、新大牟田駅から乗車するタクシー利用者の初乗り運賃の700円を割り引く事業を実施します。これは、行き先が中心市街地に限られる予約型乗合タクシーやシャトルバスとは違い、タクシーを使って大牟田市内はどこでも、また大牟田市外が行き先であっても利用できます。
3つ目は、大牟田駅周辺にある時間貸しの駐車場に駐車し、新幹線を利用された方に対し、駐車場代100円を割り引く事業を行います。
既に実施している予約型乗合タクシーと合わせ、4つの事業を行うことで、新大牟田駅の利便性の向上を図るとともに、それぞれの事業の効果を検証し、新大牟田駅の利便性向上のための検討を行っていく予定です。
次に、新幹線駅周辺の開発については、現在、新大牟田駅南側産業団地の整備を進めています。
この産業団地につきましては、造成面積8.14ha、令和3年9月より造成工事を始め、工期は令和5年7月末までの予定となっております。
工事につきましては、擁壁整備、調整池の設置や側溝の整備といった排水関連の工事が進められており、進捗率は事業費ベースで約50%となっております。
分譲スケジュールにつきましては、令和5年7月末の造成工事完了後、確定測量、登記に約5か月程度要し、その後、開発行為の工事完了検査が予定されているため、分譲につきましては、早くて令和5年度末を見込んでいるところです。
次に、企業からの引き合いについては、新大牟田駅南側産業団地には、商業・サービス機能の充実を目的とした「賑わい交流用地(2.65ha)」と企業誘致の受け皿となる「産業用地(4.45ha)」の分譲を予定しています。
「賑わい交流用地」につきましては、分譲の時期や公募の時期等について数社から問合せや相談を受けているところであります。今後さらに多くのお問合せや参画意向をいただくため、8月17日に市ホームページに造成工事の進捗情報や関連情報を掲載したところです。
また、「産業用地」につきましても、企業から複数の問い合わせをいただいているところです。
今後は、着実に造成工事を進めるとともに、団地分譲の公募に向けた準備を進めていくこととしております。