大牟田市動物園について、私自身は応援や支援をしているのですが、最近の運営方針について気になる点があり、大牟田市側にも考えていただきたい点があり意見を送らせていただきました。
・お金の寄付項目が乱立している
以前からある動物園サポーターに加えて、寄付名目の告知が園内やSNSで多数発信されていて不快に感じるときがある。また、意図やその後の使途が良く分からないものが多い。
・Amazon欲しいものリストを利用した物品の寄付募集が過剰に感じる
SNSで多数発信されていて非常に不快。そもそも日常的に必要な消耗品や作業効率を向上させるための物品は、地元の業者から動物園(大牟田市)の予算を適切に確保して購入するべきではないのか。
また、以前に物品の寄贈を申し入れたが、「大牟田市からの委託管理料を下げられる恐れがあるので、受け入れられない」と断られたことがあるがその点との整合性はどうなっているのか。
・各SNSでの情報発信について
最近は寄付を募る情報やDVDの販売情報ばかりで、動物園や動物の近況発信がほとんどなく、ただの広告になっている。
・動物園の展示が疎かになってる
動物の高齢化や動物福祉を考慮して展示を制限していることは理解できるが、楽しく観察できる動物や展示があまりにも少なすぎる上、柵や網で覆われすぎていて観察できる(見やすく分かりやすく)工夫がなされていない。この点について質問をしたら「動物福祉のため」の一点張り。これでは本末転倒ではないか。また、動画の配信を使用したイベントばかりで動物園に足を運ぶ意味が薄れていると感じる。
・動物の健康に関わる事故の多発について
2022年に発生したカンガルーがマムシに噛まれて死亡した事故や、2023年5月に発生したアムールヒョウの誤飲事故について、設備管理の不備に起因する事故が増えてきていないか。また、動物園として適切な情報発信(報告と対策を一定期間残すなど)がなされていないのではないか。
・キリンの婚活について
婚活イベント以降、何の経過報告が行われていない。大牟田市主体で寄付金を募っているのだから経過報告を行うべき。
以上です。
複数のご意見をいただきましたが、大きく「1.SNSでの発信とご支援について」及び、「2.動物福祉の推進・情報発信のあり方について」の二点にまとめまして回答いたします。
1.SNSでの発信とご支援について
大牟田市動物園では、facebook、インスタグラム、YouTubeの三種類を目的に応じて使い分けており、支援の方法についてはfacebookを通して行っています。イベント紹介・ブログ紹介、動物の動画・画像、取り組みの発信など、支援以外の情報は、複数のSNSにより目的に応じて幅広く発信を行っているところです。
また、管理・運営につきましては、市からの指定管理料のほか、動物園サポーターの皆様からのご支援による「動物園ゆめ基金」、「Amazonほしいものリスト」活用をはじめ、プロジェクトごとの応援基金、また、動物の保全団体への寄付につながるグッズ販売の展開も行うなど、多くの方のご支援・ご協力により支えられています。
これまでも、ご支援ができる手段をもっと発信すべきだというご意見・ご要望もいただいており、現在の形となっているところです。
2.動物福祉の推進・情報発信のあり方について
動物福祉は、大牟田市動物園のコンセプトでもありますことから、ご指摘に関しましてはご意見として承り、対応を図ってまいります。
まず、展示動物の観察がしづらい件につきましては、旧式の施設であることに加え、動物福祉の観点から屋内と展示場の往来を自由にしていること、また、動物の感染症の拡大等により家畜保健所からの指導に応じているなどの要因で、お客様には見づらさを生じさせている部分もあるかと思います。市では動物園整備基本計画を策定し、今後飼育を継続していく動物の中で優先度の高いモルモット、レッサーパンダ、キリンの三種を計画的に改修を行い、改善を図ることとしています。
次に、動画配信のイベントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大によります行動制限の期間も動物園をお楽しみいただく観点で導入した経緯がありましたが、配信が好評であることから配信も継続しつつ、現在は園内でのイベントもコロナ以前の状態に戻してきているところです。今後は園内でのイベントの更なる充実を図ることとしています。
次に、動物の死亡に関しましては、ご指摘の事故に関しましては、再発防止に努めてまいります。マムシ毒による死亡につきましては、当園周辺には昔からマムシも生息していることから、過去にも幾つかの動物種の死亡例が稀にではありますが報告されています。動物園の構造上マムシの侵入を防ぐことは難しく苦慮しているところです。また、高齢の動物も多く、動物も減少してきています。動物園スタッフも最大限の注意を払い、最善を尽くして飼育を行っています。
最後に、キリンの婚活大作戦につきましては、平成27年に行いましたこの事業で、期間中に約1,800万円のご支援をいただきました。使途は、パートナーを受け入れるための飼育施設の整備、移送費として活用し、一頭を大牟田市動物園で受け入れることができました。ご支援をいただきました皆様には心より感謝申し上げます。二頭は仲良く生活しておりますが、残念ながら雄の個体が交尾に至らず、現在まで繁殖できておりません。なお、キリンにつきましても、整備計画の対象として今後複数の頭数を飼育できるよう施設を整備し、ブリーディングローン(繁殖のため動物園どうしで相互に動物を貸し借りすること)を活用しながら繁殖に努めていく予定です。
引き続き、大牟田市動物園へのご理解、応援をよろしくお願いします。