本市の庁舎整備については、熊本地震の発生を機に、平成28年度から検討に着手し、平成30年度に一旦方針を示しましたが、「耐震性が不足し、市民も職員も使いにくい庁舎をどうするか(庁舎整備)」と、「登録有形文化財の本館をどうするか(本館の取扱)」という異なる論点が混在する中で、特に「本館の取扱」について市民意見が分かれたため、令和2年度から再検討を行い、令和4年度に「新・庁舎整備に関する基本方針(以下、「新・基本方針」という。)を定めました。
新・基本方針では、令和10年度の新庁舎建設着手を目指す「庁舎整備」と、民間事業者による利活用を基本に検討を進める「本館の取扱」を分けて考えることとし、令和4年度から「本館の取扱(民間活用)」の検討を進めてきました。
その結果、「本館の取扱(民間活用)」については、(1)新庁舎の供用開始は円滑に進んでも令和13年度頃になる見込み、(2)それまで本館は庁舎として使用するため、民間事業者が実際に活用できるのは令和13年度以降、(3)民間事業者としては、企業内の経営方針や外部環境の変化を考慮すると、令和13年度以降の事業について現時点で協議・契約までには至らないとの見解--から、具体的な活用事業や事業者、投資額、スケジュールなどを決定することが現時点では難しいことが明らかになりました。
そのため、実際に活用に向けて動けるようになるまでの大まかな方向性を示すものとして、令和5年度中に「本館利活用指針」を定めることとしています。
一方、「庁舎整備」については、基本方針の次の段階として基本構想の策定を進めています。基本構想では、「将来を見据えた庁舎の全体規模」「既存庁舎の取扱いと新庁舎の規模」「新庁舎の敷地」といった事業の大枠を定めることとしています。
このうち「新庁舎の敷地」につきましては、新・基本方針において、以下の理由から、現在地、立体駐車場敷地、笹林公園(労働福祉会館含む)のいずれかにすることとしています。
1.市民アンケートで6割以上が現在地周辺のエリアを求めていること。
2.公共交通の利便性が高く、分かりやすい場所にあること。
3.庁舎の機能性及び経済性の向上には、一定の集約化が必要であり、すでに多くの庁舎と庁舎機能が集積し、集約に必要な敷地面積も確保できること。
4.大牟田駅周辺の活性化などまちづくりへの効果が期待できること。