大牟田市動物園にはゾウさんはいません。7月30日に福岡市動物園にゾウさんが来たのでうらやましいです。ゾウさんがなぜいないかはインターネットで調べ、「ゾウさんの住む場所が狭いから」と分かりました。でも、お父さんとお母さんたちの時は、ゾウさんがいたそうです。ゾウさんを飼うためにお金がかかるし、エサ代にもお金がかかるということも調べました。大牟田市動物園は大牟田市以外からも人気で、道路が広くなったし有明海沿岸道路もあってアクセスが良いと思います。だから、動物園に、ゾウさんが欲しいです。福岡市動物園にゾウさんの赤ちゃんが生まれたら、大牟田市動物園で飼ってください。ゾウさんのために、場所を広くして下さい。よろしくお願いします。
大牟田市動物園は「動物福祉を伝える動物園」というコンセプトを基に、さまざまな取り組みを行っています。
一つは、飼育動物が心身ともに健康な暮らしを送れるよう環境を整える「環境エンリッチメント」です。これは動物の行動に選択肢を与え、幅を広げることで生活の質の向上を目指す試みであり、ある行為を行うことで餌が取り出せる給餌器が設置されていたり、手作りの遊具があったり、隠れる場所が確保されていたりと、動物が行動を選べるようになっています。
もう一つの取り組みは「ハズバンダリートレーニング」です。体重測定や検診などの際、動物自身に協力してもらうことで心身への負担なく健康管理ができるようになるという訓練です。例として「採血は痛いけど、その間においしい餌がもらえる」と理解すれば、動物から協力してくれるようになります。大牟田市動物園では、ライオン、トラ、マンドリル、サバンナモンキー等の無麻酔採血を国内で初めて成功させるなど数々の実績を残しています。
ご提案いただいたゾウの飼育についてですが、2013年9月にアフリカゾウの「はなこ」が亡くなって以来、大牟田市動物園にゾウはいません。ゾウは本来群れで暮らす動物であり、大牟田市動物園にはゾウが群れをなして暮らすための必要・十分な敷地が確保できないことが大きな理由であり、「ぞうはいません」の看板を入り口に設置し、動物福祉への思いを込め、お客様に理解を求めています。
日本にはたくさんの動物園があり、各園のやり方でできる動物福祉を進めることが大事だと考えています。動物園は命と向き合うことができる場所です。動物に我慢を強いる環境をなくし、動物が幸せに暮らすためにはどうすればよいのか。動物と人間のあり方についての取り組みを"動物福祉"の考えに込めて運営を行っています。今後も、魅力ある動物園となるよう、努めてまいります。