令和6年10月5日(土)に、「アート×まちづくり体感型シンポジウム」を開催しました。
アートを楽しく体感し、アートによるまちづくりの手法や実践する人のお話のほか、音楽ライブやアート作品づくりなど、とても盛りだくさんな内容となりました。
オープニングライブ(アート体感その1)
まずは、市内で活躍するフォークデュオ「ザ・ブックエンズ」さんの演奏に合わせて、受付で選んだ打楽器を使って、参加者全員で歌いながらライブに参加しました。
アルコールインクアート(アート体感その2)
細密画家の松下愛さんによるアルコールインクアートの作品づくりワークショップ。紙にインクをたらして、思い思いに模様や色を混ぜ合わせながら描きます。参加者同士、お互いの作品を褒め合ったり、達成感を分かちあいながら制作しました。

アルコールインクアート講師の松下愛さん

同じ席同士わいわい賑やかに♪

完成したアルコールインクアート
アートによるまちづくり実践報告

大牟田日本フィルの会のこれまでの歴史や取り組みについて、大牟田日本フィルの会事務局長の冨山博史さんからお話いただきました。
大牟田日本フィルの会は日本フィル交響楽団九州公演の大牟田での開催・運営のために設立されたボランティアによる地域の実行委員会です。世界にも類を見ない市民とオーケストラによる音楽文化をつくる共同プロジェクト。2025年には、九州公演50回目を迎えます。ご興味のある方は、ぜひ、記念すべき第50回公演を大牟田でご鑑賞ください。
日本フィル九州公演の最新情報はこちら
(外部リンク)
『アートとまちづくりの関係って? 』 古賀弥生さん(兵庫県公立大学法人芸術文化観光専門職大学教授)による講演

古賀さんは、誰もが文化芸術を身近に楽しめる環境作りを目指して、芸術文化のつくり手と支え手の間をつなぐ中間支援組織「アートサポートふくおか」を設立し、様々な活動を行ってこられました。講演の中では、パーキンソン病の方のダンス活動や高齢者施設での芸術体験ワークショップ、学校での演劇コミュニケーション教育など、アートと医療、福祉、教育などの関わりについてお話いただきました。アートは個人の趣味の世界、好きな人がやるものと思われがちですが、社会的な意味合いが注目されていて、地域の活性化や社会課題の解決に大きく関わっていることを教えていただきました。
パネルディスカッション
最後に、「100万人のクラシックライブinOMUTA実行委員会」を運営する菅原知之さんをナビゲーターに迎え、登壇いただいた皆さん達でディスカッションを行いました。古賀さんの講演でのお話を基に、「コーディネーター」、「連携」が主なテーマとして話が進みました。
【ディスカッションでの意見】
●コーディネーターとは、特定の分野を深く知っている人ではなく、いろんなジャンルをつなぐ人。つなごうという意識がある人はもうコーディネータで、コーディネーター同士があわさると新しいことが生まれていく。
●「アート×教育」、「アート×産業」など連携できる分野はたくさんあるが、掛け合わせる分野側にもコーディネーターが必要。
●大牟田は何かを始めたいとき、やってみたいと思ったときに、応援してくれる人や制度が多く、挑戦しやすい土地。一方で、市外の人が入ってきたり、外からアーティストを呼んだりと、外部の力を借りることも有効。全部が地産地消である必要はなく、ノウハウがまちに伝承していけばよい。
●誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく、できることから初めていくことが大切。何から始めたらいいか分からない時は、自分にとって切実なこと、自分のためになることから考えてみるといいのでは。自分が得意なことで、点と点がつながって、人や地域が元気になっていくと、元気な人が集まってきてそれこそがまちづくりとなる。
参加者の声
●心に響く内容であったと同時に、自分に何ができるか考えさせられる内容だった。自分事としてまちづくりに関わっていきたいと強く思った。
●古賀さんの「社会的処方」のお話が印象に残ったので、自分でももっと調べてみたい。
●自分とアートは遠いところにあると思っていたが、実は身近にあることがわかり、アートとまちづくりのお話をもっと聞きたいと思った。
●お話いただいた皆さんの「思い」が伝わりました。自分にも何かできることがあるのではないかと感じることができた。一人で思っているたけではダメ。やはり、まちづくりも文化芸術も「つながり」が大事だと思いました。