「建築物耐震改修・防災セミナー」開催レポート
木造建築物の耐震改修や防災についてのセミナーを令和7年3月15日におおむたアリーナにて開催し、
専門家の方から分かりやすく解説をしてもらいました!
木造住宅の耐震診断と耐震補強方法について
まず最初に一般財団法人福岡市耐震推進協議会の田中先生から「ここ10年で震度6以上の地震は何回発生していると思いますか?」と質問がありました。
答えは10回以上!まさに自分のところには『来ないだろう』とは思いにくい状況です。
建築年度で当時の木造建築基準が一目でわかる早見表が資料として配付されので、最新の木造建築基準とどれだけ違いがあるのかありありと知ることができました。
湿度が高まることで木が腐り家が弱くなっていきますが、耐震診断のために現地を訪問すると、床下換気口の前に自転車やプランターが置かれている事例がよくあるそうです。ぜひ一度、床下換気口を塞いでいないかご自宅周りをチェックしてみてください!
そして物干し竿を使ったり、住宅模型(写真参照)を使っての「実験」がありました。
住宅模型の実験では、筋交いや耐力壁をバランスよく配置することで揺れに対し耐えられるようになることを目の当たりにしました。
どこに筋交いを入れると耐震性が上がるのかなど、耐震診断を受けた上で改修を行うことの重要性がとてもよくわかる講義でした。
大牟田市における建築物耐震化促進の取り組み等について
続いて、大牟田市で実施している「木造戸建て住宅耐震改修促進事業」および「ブロック塀等撤去補助金」について制度紹介を行いました。
下記リンク先から制度詳細を確認できますのでご参照ください。
木造戸建て住宅耐震改修を支援します!
大牟田市ブロック塀等撤去促進事業
片付け上手は、防災上手!~熊本地震から学んだ命を守る片付け術~
防災収納インストラクターの松永りえ先生からは、2016年4月の熊本地震の実体験について写真をまじえながら語ってもらいました。
割れた陶器がテーブルに乗っているもの、テレビが倒れているもの。それは「普段、子どもたちが遊んでいるテーブルの上に落ちて割れたおしゃれなペンダントライト」と「後からきた本震でとうとう倒れ落ちた大型テレビ」の写真でした。
また、2024年1月の能登半島地震を経験された知人のお話しでは「電子レンジが飛んで、壁を突き破って隣の部屋に落ちた」とか・・・!すさまじい実体験の連続で、会場のあちらこちからは驚きの声が上がりました。
そこで大事になるのが「家の中を片付け、家具の転倒や落下を防ぎ身を守る対策を施し、空いたスペースに備蓄食や飲料水などを収納する」防災収納です。
片付け・安全対策・備蓄とそれぞれの項目ごとに、例えば「保存する飲料水を一部野菜ジュースに」や「どこで閉じ込められるかわからないので、分散して置いておく」などのアドバイスや、自分の家で片付けたい又は不安な場所を書き出すワークもあり、具体的な手順や取るべき行動をイメージすることができました。
自然災害を減らすことはできませんが、事前の備えで被害は減らせます!という先生のメッセージは、大牟田市民の皆さんに広く届いてほしいと思うものでした。
参考【令和6年度開催案内のチラシ】