所得控除とは、納税者に控除配偶者や扶養親族があるかどうか、病気などによる出費があるかどうかなどの個人的な事情を考慮して、納税者の実態に応じた税負担を求めるために所得金額から差し引くものです。なお、控除額の単価や計算方法は、所得税の場合と異なるものがあります。
 また、障がい者・寡婦・ひとり親控除などの判定は、前年12月31日現在の状況となります。
 
雑損控除 
 前年中にあなたやあなたと生計を一にする配偶者その他の親族で、所得が一定金額以下の方が所有する資産が災害・盗難・横領などによって損害を受けた場合
(損失額は損害を受けた時の時価によって計算します) 
【対象となる資産】 
資産の保持者・・・あなたの資産、もしくはあなたと生計を一にする総所得金額等(注1)が48万円以下の配偶者や親族の資産であること。
資産の内容・・・日常生活に通常必要な住宅や衣類、什器、書籍、暖房装置、通勤用車両、堀、墓などの資産。これらの修復・修繕費も対象となります。
【対象とならないもの】
 別荘、競走馬、1個または1組が30万円を超える貴金属、書画、骨董など(雑損控除の対象にはなりませんが、他に総合譲渡所得があれば、総合譲渡所得の中で損益通算ができます。) 
 
【控除額】 
 (1)と(2)のいずれか多い金額 
 (1)(損失の金額 - 保険等により補てんされた額)-(総所得金額等(注1)の合計額 ×10パーセント) 
 (2)(災害関連支出の金額 - 保険等により補てんされた額)- 5万円 
 
 
大規模な災害等により被害を受けられた方の雑損控除について
 令和2年7月の災害等により、住宅や家財などに損害を受けた人は雑損控除の特例を受けられます。
 詳細については「損失額の合理的な計算方法」のページ (外部リンク)へ
(外部リンク)へ
 
 
 
医療費控除 
 前年中にあなたやあなたと生計を一にする配偶者その他親族のために病院などへ支払った治療費や医薬品の購入代などがある場合 
 
【控除額】 
 (支払った医療費-保険等により補てんされた額)-(総所得金額等(注1)の合計額×5パーセントまたは10万円のいずれか低い額) 
  (注意)200万円が限度額です。 
 
社会保険料控除 
 前年中にあなたやあなたと生計を一にする配偶者その他の親族が負担することとなっている社会保険料を支払った場合(国民年金保険料、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)
【控除額】
 支払った額全額 
 
小規模企業共済等掛金控除 
 前年中にあなたが支払った小規模共済制度に基づく第一種共済掛金、心身障がい者扶養共済制度の掛金または確定拠出年金法に基づく加入者掛金
【控除額】
 支払った額全額 
 
生命保険料控除 (平成25年度以降)
 平成25年度から生命保険料控除の計算方法が変わりました。 
 平成24年1月1日以降に締結した保険契約等に係る保険料と、平成23年12月31日までに締結した保険契約等に係る保険料とでは、生命保険料控除の計算方法が異なります。
【控除額】
 前年中にあなたが支払った生命保険料分と介護医療保険料と個人年金保険料分をそれぞれ計算し、合算した額が控除額となります。(最高7万円) 
 
 
地震保険料控除(平成20年度以降) 
 地震保険への加入を促進する目的で、今までの「損害保険料控除」を廃止し、「地震保険料控除」が創設されました。
 前年中に支払った損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金が対象となります。
 経過措置として、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険等に係る保険料等(短期損害保険契約等を除く)については、「旧長期損害保険料」として今までどおりの損害保険料控除が適用されます。
(1)地震保険料控除 
 地震保険契約等に係る全てが地震等損害により保険が支払われる損害保険契約等である場合、前年中にあなたが支払った保険料または掛け金 
 
【控除額】
支払保険料が50,000円まで・・・支払保険料の1/2に相当する額
支払保険料が50,000円を超える場合・・・25,000円 
 
(2)旧長期損害保険料控除 
 損害保険契約等のうち満期返戻金等があるもので保険期間等が10年以上のものです 
 
【控除額】
支払保険料が5,000円まで・・・全額
支払保険料が5,000円を超え15,000円まで・・・支払保険料の1/2 + 2,500円
支払保険料が15,000円を超える場合・・・10,000円 
 
(3)地震保険料控除と旧損害保険料控除の両方がある場合 
【控除額】
(1)地震保険料控除と(2)旧長期損害保険料控除で計算した控除の合計(控除額25,000円まで)
 ただし、一つの損害保険契約等が地震保険料控除と旧長期損害保険料控除のどちらにも該当する場合、選択によりいずれか一方の控除にのみ該当するものとして取り扱われます。
障がい者控除 
 あなたや扶養親族が障がい者である場合
 (障がい者手帳の提示が必要です)
【控除額】
(1)普通障がい者・・・26万円
(2)特別障がい者・・・30万円
(3)同居特別障がい者((2)のうち同居の人)・・・53万円
 特別障がい者とは1級及び2級の障がい者手帳や療育手帳のAが交付されている方です。
  
寡婦控除 
  
 所得者本人が次の(1)または(2)のいずれかに該当する方(ひとり親に該当する人を除きます。)。
(1)夫と離婚した後婚姻していない方で、次のイ、ロ及びハのいずれにも該当する方
 イ 扶養親族を有すること
 ロ 合計所得金額が500万円以下であること
 ハ その人と事実上の婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいないこと
(2)夫と死別した後再婚していない方または夫の生死が明らかでない方で、次のイ及びロのいずれにも該当する方
 イ 合計所得金額が500万円以下であること
 ロ その人と事実上の婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいないこと
【控除額】
 26万円 
 
   ひとり親控除 
 所得者本人が現に婚姻していない方または配偶者の生死が明らかでない方で、次の(1)、(2)及び(3)のいずれにも該当する方
(1)その人と生計をーする子(他の人の同一生計配偶者または扶養親族とされている方を除き、その年の合計所得金額(注2)が48万円以下の子に限ります。)を有すること
(2)合計所得金額が500万円以下であること
(3)その人と事実上の婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいないこと
 
 
【控除額】
 30万円 
 
   
 
 なお、令和2年度以前の寡婦控除・特別寡婦控除・寡婦控除は、 令和2年度以前の寡婦控除等(PDF:123.1キロバイト)
 令和2年度以前の寡婦控除等(PDF:123.1キロバイト)  をご覧ください。
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勤労学生控除 
 あなたが勤労学生であり、自己の勤労による給与所得等を含む合計所得金額(注2)が75万円以下であり、かつ、その合計所得金額(注2)のうち給与所得等以外の所得が10万円以下である人
 
 なお、平成2年度以前の所得要件は、合計所得金額(注2)が65万円以下でした。
 
【控除額】
 26万円 
 
 
配偶者控除 (平成31年度以降)
 平成3年度の所得要件は、合計所得金額(注2)が48万円以下となります。
 
 なお、平成2年度以前の所得要件は、合計所得金額(注2)が38万円以下でした。
 平成31年度から配偶者控除額が変わりました。
 あなたの当該年中の合計所得金額(注2)を「900万円以下」、「900万円超950万円以下」、「950万円超1,000万円以下」と「1,000万円超」の4段階にわけ控除額を算定します。
 
 
【控除額】
 
(1) 納税義務者の前年の合計所得金額が900万円以下である場合  33万円
     (老人控除対象配偶者である場合には、38万円)
 
 (2) 納税義務者の前年の合計所得金額が900万円を超え950万円以下である場合  22万円
     (老人控除対象配偶者である場合には、26万円)
 
(3) 納税義務者の前年の合計所得金額が950万円を超え1,000万円以下である場合  11万円
     (老人控除対象配偶者である場合には、13万円)
 
 (4)   納税義務者の前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合      0円     (老人控除対象配偶者である場合も、0万円)
 
なお、控除対象配偶者とは、納税義務者の妻又は夫で、その納税義務者と生計を一にするもののうち、前年の合計所得金額が48万円以下で(青色事業専従者及び白色事業専従者を除く)ある方です。
 
 
 なお、平成30年度以前の配偶者控除は、 平成30年度以前の配偶者控除・配偶者特別控除額(PDF:41.5キロバイト)
 平成30年度以前の配偶者控除・配偶者特別控除額(PDF:41.5キロバイト)  をご覧ください。
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配偶者特別控除  (令和3年度以降)
  令和3年度から、「配偶者の合計所得金額(注2)が48万円超で133万円未満」と変わりました。
 
 平成31年度から令和2年度は、あなたの当該年中の合計所得金額(注2)を「900万円以下」、「900万円超950万円以下」と「950万円超1,000万円以下」の3段階にわけ、生計を一にする配偶者の合計所得金額(注2)が38万円超で123万円未満の場合が控除対象となっていました。
   平成30年度以前は、配偶者の合計所得金額(注2)が38万円超で76万円未満となっていました。
【控除額】
 
 
  |   | 納税者の合計所得 | 
 
  | 900万円以下 | 900万円超950万円以下 | 950万円超1,000万円以下 | 
 
  | 配偶者の合計所得 | 480,000円超 1,000,000円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 | 
 
  | 1,000,000円超 1,050,000円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | 
 
  | 1,050,000円超 1,100,000円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | 
 
  | 1,100,000円超 1,150,000円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | 
 
  | 1,150,000円超 1,200,000円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | 
 
  | 1,200,000円超 1,250,000円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | 
 
  | 1,250,000円超 1,300,000円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | 
 
  | 1,300,000円超 1,330,000円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | 
  なお、平成31年度と令和2年度の配偶者特別控除は、 平成31年度と令和2年度の配偶者特別控除(PDF:125キロバイト)
 平成31年度と令和2年度の配偶者特別控除(PDF:125キロバイト)  をご覧ください。
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 なお、平成30年度以前の配偶者特別控除は、 平成30年度以前の配偶者控除・配偶者特別控除額(PDF:41.5キロバイト)
 平成30年度以前の配偶者控除・配偶者特別控除額(PDF:41.5キロバイト)  をご覧ください。
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扶養控除 
 あなたと生計を一にする扶養親族で当該年中の合計所得金額(注2)が48万円以下の場合
 
 なお、平成2年度以前の所得要件は、合計所得金額(注2)が38万円以下でした。
【控除額】
 一般扶養の場合(16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満)の場合・・・33万円
 特定扶養(19歳以上23歳未満)の場合・・・45万円
 老人扶養(70歳以上)の場合・・・38万円 
 
 
 
基礎控除 
 令和3年度から、納税者の合計所得金額(注2)が「2,400万円以下」、「2,400万円超2,450万円以下」、「2,450万円超2,500万円以下」と「2,500万円超」の4段階にわけ、基礎控除額を算定する方法に変わりました。
 
 【控除額】
 
| 納税者の合計所得金額 | 基礎控除 | 
| 2,400万円以下 | 43万円 | 
| 2,400万円超   2,450万円以下 | 29万円 | 
| 2,450万円超   2,500万円以下 | 15万円 | 
| 2,500万円超 | 0円 | 
 
 
 
 
 
  なお、平成2年度以前控除額は、 一律控除33万円でした。
 
 
 
 
(注1)総所得金額等とは… 
 純損失又は雑損失の繰越控除後の総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額、長期譲渡所得の金額、短期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額(分離課税された分は除く)の合計額です。
 ただし、分離課税の長期・短期譲渡所得については、特別控除前の金額です。
 
(注2)合計所得金額とは… 
 純損失又は雑損失の繰越控除前の総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額、長期譲渡所得の金額、短期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額(分離課税された分は除く)の合計額です。
 ただし、分離課税の長期・短期譲渡所得については、特別控除前の金額です。