成人用(高齢者)肺炎球菌感染症予防接種について
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛まつ感染します。日本人の約3%から5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされています。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。
肺炎球菌には93種類の血清型があり、定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。また、この23種類の血清型は成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の約7割を占めるという研究結果があります。
高齢者を対象とした肺炎球菌感染症の予防接種は、平成26年10月から平成30年度の5年間は経過措置として、その年度において、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方に対して実施してきました。
(この経過措置は、平成31年度から令和5年度までの5年間延長することになりました。)
【対象から除かれる方】
◆過去に、23価肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方
◆平成26年10月から平成30年度において、定期接種として23価肺炎球菌ワクチンを接種した方
【注意】 原則、新型コロナワクチンとインフルエンザ以外のワクチンは、同時に接種できません。互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。 |
(1)令和5年度は、令和5年4月1日から令和6年3月31日の間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる人。(下表参照)
(2)60歳以上65歳未満の人で、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する人。(身体障がい者手帳一級の人)
(注意)身体障がい者手帳一級の人でも、上記(2)以外の障害(視覚、聴覚、肢体不自由)の人は対象外です。
令和5年度の年齢 | 対象の生年月日 |
65歳 | 昭和33年4月2日から昭和34年4月1日 |
70歳 | 昭和28年4月2日から昭和29年4月1日 |
75歳 | 昭和23年4月2日から昭和24年4月1日 |
80歳 | 昭和18年4月2日から昭和19年4月1日 |
85歳 | 昭和13年4月2日から昭和14年4月1日 |
90歳 | 昭和 8年4月2日から昭和 9年4月1日 |
95歳 | 昭和 3年4月2日から昭和 4年4月1日 |
100歳 | 大正12年4月2日から大正13年4月1日 |
なお、このうち、過去に成人用肺炎球菌感染症ワクチン「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」の接種歴がある人は対象外です。
接種期間
令和5年4月1日から令和6年3月31日
接種料金
自己負担金 3,000円
実施医療機関
接種費用の助成措置
接種対象者で次のいずれかに該当する方は、自己負担金免除者であることがわかる書類を医療機関に提示することにより無料で接種することができます。
○生活保護世帯の方
○市民税非課税世帯の方
<自己負担金免除者であることがわかる書類>
○生活保護世帯の方は、生活保護受給証明書。
○市民税非課税世帯の方は、次の(1)、(2)、(3)、(4)のうちのいずれかの書類。
(1)自己負担金免除決定通知書(保健衛生課へ事前申請が必要)
また、次の(2)、(3)、(4)の書類をお持ちの方は、上記申請をすることなく、医療機関に書類を提示すれば接種することもできます。
(2)令和5年度介護保険料納入(納付)通知書(保険料段階1段階から3段階の記載があるもの)
※7月末までに接種する場合は、令和4年度介護保険料納入(納付)通知書になります。
(3)介護保険負担額限度額認定証(有効期限内のもの)
(4)後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証(有効期限内のもの)
成人用肺炎球菌ワクチンの効果について
「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は1回接種すると、5年以上効果が持続すると言われています。
接種後1か月後の抗体価(※)と、4年後及び5年後の抗体価を測定したところ、接種4年後の抗体レベルの平均は約90%、接種5年後の平均は76%との報告があり、5年以降も効果は残っています。
また、インフルエンザワクチン接種の場合は、追加の接種で、1回目の接種以上に抗体価が上昇する「ブースター効果」がみられますが、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」については、大幅な増強効果はみられないと言われています。
※抗体価 ウイルスや細菌に反応する抗体の量
―予防接種を希望される方は、接種前にこちらをお読みくださいー
再接種の必要性について
国の審議会では、すでに接種歴がある人が定期接種で再接種を受ける必要性について、今後の検討課題としています。そのため、現在の制度では、過去に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」の接種歴がある人は、定期接種の対象とはなりません。
また、過去5年以内に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種した人が再接種を受けた場合は、注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度も強く発現すると報告されています。
抗体価の低下は個人差がある上、基礎疾患等のある人は、その効果が低下しやすいと言われています。再接種については、主治医と相談の上、その必要性を考慮してください。
なお、再接種は任意接種(予防接種法で定めていない予防接種)となり、全額自己負担となります。
セルフメディケーション税制について(医療費控除の特例)
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定成分を含んだOTC医薬品(いわゆるスイッチOTC医薬品)の購入の対価を支払った場合において、その年中に支払った対価額の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(上限:8万8千円)について、その年分の総所得金額等から控除する新税制です。
<健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組>
- 保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査
- 市町村が健康増進事業として行う健康診査
- 予防接種(定期接種又はインフルエンザワクチンの予防接種)
- 特定健康診査又は特定保健指導
- 市町村が実施するがん検診
大牟田市が実施する定期予防接種で平成29年1月以降に接種した「高齢者インフルエンザ予防接種」及び「高齢者肺炎球菌感染症予防接種」の領収証及び予防接種済証は、セルフメディケーション税制の所得控除を受けるための書類の一つとなります。
申告を予定している方は、大切に保管してください。
なお、医療機関において「領収証」及び「予防接種済証」の再発行ができない場合は、保健衛生課(0944-41-2669)にご相談ください。
<注意>
セルフメディケーション税制による所得控除と、従来の医療費控除を同時に利用することはできません。購入した対象医薬品の代金に係る医療費控除制度については、従来の医療費控除制度とセルフメディケーション税制のどちらかの適用とするか、対象者ご自身で選択することになります。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
(厚生労働省)