たから幼稚園は、これまであお組(年長組)の園児らが田植えと稲刈りの体験学習に取り組んできました。収穫されたもち米は、年末のもちつき大会に使われているそうです。田植えから最後のもちつき、もちの食事までつながる食育の取組となっています。
令和2年も7月中旬に田植えを行う予定だったそうです。けれど、豪雨で事態は一変。たから幼稚園は被害を免れたものの、園が借りていた田んぼが被災。例年通りの田植えができなくなり、思い悩んだ園長がたどり着いた答えが、今回のコンテナ稲作りのアイデアだったそうです。
園庭で生まれた相乗効果
園庭に並べたコンテナに、ビニルを敷き、目の細かい土を入れて水を張り、田んぼに見立てました。
そこに、苗を植えて観察を始めました。例年だと、田植えの次に田んぼを訪れるのは、稲刈りの時だけです。
今回は、園庭で育てることから、園児たちは毎日稲の様子を見ることができました。青組だけでなくき組(年中組)やあか組(年少組)、もも組(年少々組)の子どもたちも興味を示すようになりました。
あお組のみんなはこまめな観察ができるようになり、タブレット端末を使ったり手書きのイラストを描いたりして稲の観察記録を続けました。コンテナ稲作に取り組んだことで、稲の生育を始めて細かく観察できるようになったそうです。
その細かな観察記録を発表する場として、こどもエコクラブの活動報告が活用されました。
<認定こども園たから幼稚園こどもエコクラブの
活動報告はこちらから(外部リンク)>
稲刈り後も続く食育体験
園庭で稲刈りができたことで、園児たちは稲刈りの後も、精米までの作業を体験することができました。
刈り取られた稲はしばらく風通しの良い場所に干され、園児たちによって脱穀されました。脱穀では、牛乳パックを再利用した簡易脱穀機を作成。牛乳パックを使って一本一本の稲からコメを脱穀していく作業は子どもたちにも人気の作業だったそうです。
米からもみ殻をはがす「もみすり作業」は、すり鉢の中で野球ボールを使って行いました。かたいもみ殻が割れて徐々に中の玄米が出てくる様子を見て、お米が採れたことを園児たちははじめて実感したそうです。
その後もみ殻と玄米を選別する作業は、想定外に手間がかかったそうです。当初、息を吹きかけるともみ殻だけが吹き飛ばされるという想定でしたが、もみ殻と玄米を空気で選別するのが実に難しかったそうです。結局、園児たちは手作業によって玄米を選別したといいます。その時の集中力は大したものだったと園長は振り返ります。「園児たちは、手先が器用ですから集中すると手作業で米を分けた方が早いんです。息を吹きかけると、意外ともみ殻だけでなく米も吹き飛んじゃって、大変でした。」
こうして、ようやく手にしたお米は12月のもちつきに使われ、鏡餅として新年を迎える各家庭に持ち帰られました。園児たちは、田植えから収穫、精米、調理というひとつながりを初めて体験できました。
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絵日記1 いねかり | 絵日記2 だっこく |
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絵日記3 もみすり | 絵日記4 こめのせんべつ |
半年の活動を振り返る壁新聞と絵日記
半年間の活動を振り返る取組として、園では4枚の絵日記と1枚の壁新聞が作成されました。
稲の成長記録や収穫後の工程を描いた絵日記とスナップ写真で構成された記事に、折り紙などで作った様々な生き物をあしらい、半年の活動を振り返った壁新聞、収穫後の作業を絵と文章で丁寧に表現した臨場感あふれる4つの絵日記ができあがりました。
壁新聞は幼児部門のミールケア・エコまる賞を受賞。絵日記は、松本栞愛さんが描いた「だっこく」が優秀賞を受賞しました。幼稚園で壁新聞部門と絵日記部門の同時受賞は初といいます。特に、絵日記には幼児部門がなく、小学生の絵日記と同じ土俵での評価だったそうです。
たから幼稚園こどもエコクラブの皆さん、本当におめでとうございました。
<認定こども園たから幼稚園こどもエコクラブの活動報告はこちらから(外部リンク)>
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