平均寿命よりも健康寿命
「健康寿命」とは、元気に自立して生活ができる期間(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)のことです。
国の資料によると、
男性は約9年、女性は約12年も健康寿命が平均寿命より短い
ということが分かっています。
できるだけ支援や介護を必要とせず、元気に長く生活していくためには、この
健康寿命をのばす
ことが大事だとされています。
※厚生労働省「第16回健康日本21(第2次)推進専門委員会」資料を基に作成
フレイルとは?
最近「歩くのが遅くなった」「食べる量が減った」「人と話す機会が減った」などの変化はありませんか?
フレイルとは、歳とともに、筋力、体力、気力が衰えている状態のことです。
人は健康な状態から、フレイルの段階を経て、介護が必要な状態になると考えられています。
フレイルは多面性
フレイルは、サルコペニア、ロコモなどの
(1)身体的フレイル
、認知機能低下、抑うつなどの
(2)精神心理的フレイル
、独居、閉じこもりなどの
(3)社会的フレイル
と多面性であり、それらが相互に影響しながら進行します。
フレイルの悪循環
加齢とともに筋肉が減少していることを「
サルコペニア(加齢性筋肉減少症)
」といいます。
サルコペニアになると、筋力が低下し、歩行速度が遅くなり、身体活動量が減少します。
その結果、食欲が落ちて栄養不足となり、さらに筋肉量が減るという「
フレイルの悪循環
」に陥りやすくなります。
Xue QL. et. al.; J Gerontol A BiolSci Med Sci 63, 984-990, 2008(一部改編)
Fried LP et al.; J Gerontol Med Sci 56A: M146-M156, 2001(一部改編)
フレイルは予防できる!
加齢とともに筋力、体力、気力の衰えが認められ、運動不足や栄養不足状態になると、さらにフレイルが進行することになります。
しかし、
本人や家族がフレイル状態に早く気づき、対応することで、
健康な状態に戻すことも可能
です
。
介護を必要とせず、元気に自立した生活を送るためには、早期からフレイル予防に取り組むことが重要です。
働く世代もフレイル予備軍?
フレイル予防が必要なのは、
高齢者だけだと思っていませんか?
筋肉量の減少は40代ごろから始まる
と言われています。
適切な運動、バランスの良い食事など、
生活習慣を見直して
、フレイル予備軍になることを防ぎましょう。
思い当たることはありませんか?
「フレイルチェックリスト」
※厚生労働省「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」(令和元年10月)を参考に作成
1つでもチェックが入ったら要注意!
Q1.~Q3. にチェックが入った人は、
「運動」
に注意!
Q4.~Q5. にチェックが入った人は、
「食事」
に注意!
Q6.~Q7. にチェックが入った人は、
「口腔」
に注意!
Q8.~Q10.にチェックが入った人は、
「社会参加」
に注意!
→
「フレイル予防の4つのポイント」
をそれぞれ確認してみましょう
フレイル予防の4つのポイント
1.運動 ― 筋トレは長生きの秘訣
サルコペニアの進行をできるだけ遅らせるため、筋肉を動かすことが大切です。
家庭でできる筋トレをしたり、外出していつもより長く歩いてみるなど、筋トレと有酸素運動をバランスよく組み合わせて取り組むと効果的です。自分ができる範囲で、無理をしない運動を心掛けましょう。
2.食事 ― たんぱく質は足りていますか?
低栄養の食事は、フレイルを促進するだけでなく、免疫力も下げてしまいます。
たんぱく質は、筋肉をつけるために必要な栄養素です。
日頃から魚や肉、卵、大豆製品、牛乳などのたんぱく質を積極的に摂取し、バランスのよい食事をしましょう。
3.社会参加 ― 心と体のフットワークを軽く
フレイル予防には、「社会・人とのつながり」が大切です。
社会参加の頻度が多いと、認知機能障害になりにくいと言われています。
趣味のサークルに参加したり、家族で食事をしたり、買い物に行ったり、人との交流の機会をつくりましょう。
ビデオ通話での交流もおすすめです。
4.口腔 ― お口の健康は体の健康
固い物が噛みにくい、むせやすい、滑舌が悪い、口が渇くなど、口腔機能の衰え(オーラルフレイル)を予防することが大切です。
歯と口を清潔に保つ、よく噛んで食べる、口や舌を動かすトレーニングを行うなど、口腔機能の維持に取り組みましょう。
誰かと会話をするだけでも口の運動になります。
定期的にかかりつけ歯科医の健診を受けましょう。
※オーラルフレイルについては、広報おおむた9月1日号にも記事を掲載しています。
フレイル予防につながる取組みなどの紹介はコチラ→
「フレイル予防アクション+
(プラス)
」