令和7年度当初予算案における主な事業につきましてご報告いたします。令和7年度当初予算の総額は、633億6千万円で、前年度比27億6千万円、4.6%の増で、過去最大規模となっております。
これは、歳出において、学校再編に伴う整備事業や、児童手当の拡充などに伴う扶助費が増加することを見込み、また、歳入において市税や普通交付税・特別交付税の増加が見込まれることから、これまでの規模を上回る予算編成となったものでございます。
主な事業につきましては、配布しております参考資料「令和7年度当初予算(案)における主要な事業」に基づき、ご説明いたします。
令和7年度におきましては、昨年度に引き続き、「若者が夢を持って働くまちづくり」、「子育て世代に魅力的なまちづくり」及び「誰もが安心して元気に暮らせるまちづくり」の3つのまちづくりを進めるとともに、「まちなか再生による活性化」や「災害につよいまちづくり」により、市民が安心・安全に生活ができ、市内外の方にとって魅力的なまちの実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
それでは、主な取組についてご説明します。
まず、「若者が夢を持って働くまちづくり」でございます。
新大牟田駅産業団地等への企業誘致を進めるとともに、新たに民間のノウハウを活用したIT関連企業の誘致に取り組み、新たな雇用の創出と市内企業との取引拡大による地域経済の活性化を図ってまいります。
また、イノベーション創出拠点「aurea(アウレア)」内に設置した大牟田市ビジネスサポートセンターにおいて、生産性向上や技術開発、DX対応など中小企業が抱える様々な課題に対して、各種支援機関と連携を図りながら、相談・支援の充実に取り組んでまいります。
さらに、企業合同面談会や合同会社説明会、産業フェスタ等の開催、市内中小企業等に就職した若者に対する奨学金の返還や賃貸住宅の家賃の一部支援、さらには企業紹介冊子の改訂などを行い、地域企業への就業促進を図ってまいります。
加えて、意欲ある農業者の支援としまして、新規就農を促進するため、空きハウス等の施設及び農地確保のための支援制度を創設するとともに、認定新規就農アドバイザーによる安定的な営農に向けた支援や、農業用施設の整備や農業用機械の導入等への支援を行ってまいります。
次に、「子育て世代に魅力的なまちづくり」でございます。
学童保育所・学童クラブの待機児童ゼロを目指し、学童保育所の整備を行うとともに、定員を超えて受け入れを行う施設への運営費の上乗せ補助、認定こども園等での夏休みの預かり事業等を実施してまいります。
また、今年1月より開始した子ども医療費の支援拡充を令和7年度も継続してまいります。
さらに、妊娠期から子育て期にわたる様々な相談に応じるとともに、必要な情報提供・助言・保健指導など、保健や医療、福祉等の連携による切れ目ない支援を継続し、身近な伴走型の相談支援と経済的支援を一体的に行ってまいります。
加えて、市内で唯一の公立保育所である天領保育所について、機能の充実や施設の老朽化への対応等を検討し、公立保育所の整備計画を策定することとしております。
このほか、小・中・特別支援学校において、保護者負担の軽減のため、物価高騰による学校給食費の材料費高騰分について支援を行うほか、子育て世帯の住宅改修への支援、さらに、子どもの出生や入学をお祝いするため、記念品やお祝いの品の贈呈などを行います。
学校教育の充実につきましては、習熟度別や課題別の少人数授業を引き続き実施するとともに、小・中学校へのスタディサポーターの派遣や学力向上アドバイザーによる授業改善に向けた指導助言、デジタル教科書の活用、タブレット端末で使用できるドリル教材の活用などを進め、児童生徒の学力の向上を図ってまいります。
また、小中一貫教育制度の導入を進め、義務教育9年間を見通した教育課程に基づく指導を行うとともに、地域学校協働活動推進員を配置し、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、学校・家庭・地域のつながりを深め、地域とともにある学校づくりを行ってまいります。
さらに、中学生が将来を考え始める時期に、地元企業での職業体験等を行い、将来の進路や職業選択について考える機会を提供するとともに、地元企業の魅力を知ることで、地域社会の一員としての意識を高める取り組みを進めてまいります。
加えて、誰一人取り残さない学びの保障として、校内教育支援センター「ハートフルルーム」や、学校外の居場所「サテライトスペース」など、児童生徒の多様な学びの場を確保するとともに、スクールカウンセラーによる心のケアや、学習指導員による学びの支援を行ってまいります。
また、すべての中学校区にスクールソーシャルワーカーを配置し、関係機関と連携を図りながら、児童生徒や保護者等への支援をはじめ、教育相談の充実を図るとともに、夜間中学「ほしぞら分校」においては、学び直しを支援し、「学びの多様化学校」としての運営を行ってまいります。
続きまして、「誰もが安心して元気に暮らせるまちづくり」でございます。
まず、健康づくり・フレイル予防への取組としまして、ウォーキング等の運動の促進や健康に関する測定・相談などを行い、健康づくり活動に取り組む市民の増加を目指してまいります。
次に、誰もが安心して移動できる公共交通については、おおむた「大蛇山」まつり開催時の路線バス運賃割引などの利用促進イベントを実施し、観光施策と連携しながら公共交通の利用促進を図るとともに、誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通サービス体系の構築に向け、地域の循環バスや乗り合いタクシーなど地域のニーズに応じた生活交通の確保を支援してまいります。
次に、介護人材の確保としまして、人材不足が生じている市内の介護及び障害福祉サービス事業所で働く介護職員の資格取得等に対し、必要な経費の一部について支援を行うこととしております。
次に、人と環境にやさしいまちへといたしまして、公共下水道や合併処理浄化槽への切り替えに対する支援策や生活排水対策の重要性について広報・啓発の充実・強化を図り、各家庭の水洗化を促進してまいります。
また、令和10年7月の供用開始に向け、大牟田・荒尾清掃施設組合による新たなごみ処理施設の整備を着実に進めることとしております。
次に、地域コミュニティの活性化といたしまして、防犯・防災活動や環境美化活動、子どもの居場所づくりなどの身近な地域課題の解決を図るために取り組まれている活動を支援することにより、地域コミュニティの活性化を目指すとともに、加入率の低下や担い手不足等の課題解消に向けた取り組みを進めてまいります。
さらに、空き家の利活用・流通を促進するため、新たに空き家の所有者もしくは購入予定者に対し、家財処分等にかかる経費の一部について支援を行ってまいります。
次に、「まちなか再生による活性化」についてでございます。
UDCおおむたと連携し、ハード・ソフトの両面から「まちなか再生未来ビジョン」の実現を進めていくこととしております。あわせて若者主体のまちづくり活動を支援するとともに、空き家・空き店舗等ストックの活用・流通の促進を図り、まちなかの再生・活性化に取り組んでまいります。
また、中心市街地の対象区域において、新たに使用されず適正に管理されていない空家等の寄附を受付け、解体を行う取り組みを実施するとともに、所有者自ら解体工事を行う場合の経費の一部について支援を行うこととしております。
次に、延命公園エリアの魅力創出としまして、市民体育館の跡地に新たな駐車場や芝生広場の整備を行うとともに、インクルーシブ遊具の設置などを進め、誰もが利用しやすく魅力的な環境づくりを進めてまいります。
次に、新庁舎及び大牟田駅周辺エリアの整備については、新庁舎の速やかな供用開始に向け、新庁舎整備事業を着実に進めるとともに、既存庁舎跡地への代替公園の整備等を通じて大牟田駅周辺エリアの活性化に取り組むこととしております。
令和7年度は、庁舎整備基本計画の策定に着手するとともに、UDCおおむたなどの関係団体と連携しながら本館周辺エリアの価値向上にも努めてまいります。
「災害につよいまちづくり」としまして、排水対策基本計画に基づき、ハード・ソフトの両面から効果的・効率的な浸水対策を実施し、浸水被害の軽減を図ってまいります。
令和7年度は、引き続き、三川新ポンプ場建設や、白川ポンプ場のポンプ増設、船津新川の堤防嵩上げ工事、手鎌野間川の河川改良工事等に取り組んでまいります。
最後に、「わたしたちのまちの魅力をもっと知ってもらうために」、産業フェスタの開催などを通じて、本市の住みやすさなどの魅力を市民に広く発信するとともに、本市の知名度向上とイメージアップを図るため、マスコミやSNSに加え、新たなシティプロモーションサイトや令和7年度公開予定の映画「オオムタアツシの青春」を活用し、本市の魅力を市内外へ発信してまいります。
また、動物園のモルモット舎等の整備を行うこととしており、動物福祉に配慮した飼育環境を整えるとともに、来場者がより間近で動物の生き生きとした様子を観察するイベントなどを通し、動物園の魅力向上とワンヘルス理念の啓発を図ってまいります。
移住・定住の取組としまして、お試し居住や様々なプロモーションを通して、本市の魅力である住みやすさを知ってもらうとともに、移住支援金制度による支援を行い、移住人口の増加を図ってまいります。
これらの取組を進め、市民の皆様が安心・安全に生活でき、将来を担う子どもたちやお孫さんたちが、この豊かな大牟田で安心して仕事をしながら生活できる未来を目指してまいりたいと考えております。
私からの報告は、以上です。